妊娠・妊婦と歯周病の関係とは?

      2024/07/10

妊娠・妊婦と歯周病の深い関係について

妊娠・妊婦と歯周病

鹿児島の歯医者「ながやまデンタルクリニック」の歯科衛生士です。

妊娠すると、ホルモンバランスの乱れなど体内の様々な部分に変化が起こることによって、口腔内のトラブルリスクも高くなります。特に妊娠中は歯周病になりやすく、胎児の健康にも悪影響があるため注意が必要です。

今回のブログは、妊娠・妊婦と歯周病の関係についてお話したいと思います。

妊娠するとなぜ歯周病になりやすいのか?

妊娠すると、歯周病リスクが高まるのはなぜか・・・その主な理由は下記のようなことが挙げられます。

【①ホルモンバランスの変化】

妊娠すると、ホルモンバランスが変化して歯周病菌が好むエストロゲンという女性ホルモンの量が増えます。それに伴って歯周病菌が繁殖するため、歯周病リスクが高くなり、歯肉などに炎症が生じやすくなります。

【②つわりの影響】

妊娠中はつわりの影響で吐き気が強くなり、さらににおいや刺激に敏感になります。歯ブラシの刺激や歯磨き粉の香りで気持ち悪くなる場合もあり、セルフケアがきちんと行えないため、歯周病リスクが高くなってしまいます。

【③食生活の乱れ】

妊娠中は上記のようにつわりがひどくなるため、数回に分けて食事をするという方も増えます。また、食べ物がお口に入っていないと気持ちが悪くなるという「食べつわり」などもあり、食生活が乱れてしまいます。頻繁に飲食をすると、食べかすなどが蓄積するだけでなく、口腔内が酸性に傾いてしまうため、細菌の動きが活発になり、歯周病リスクも高くなります。

【④唾液の分泌量の低下・性状の変化】

妊娠中はホルモンバランスの乱れによって、唾液の性状が変化して粘度が高くなり、さらに分泌量も低下します。そのため、唾液の自浄作用や殺菌作用が低下し、歯周病リスクを高めてしまいます。

【⑤免疫力の低下】

妊娠中は免疫細胞が胎児を異物として攻撃しないよう、免疫力が低下するため、歯周病リスクが高くなり、さらに悪化しやすくなります。

妊娠中の歯周病は胎児の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります

歯周病は様々な疾患と深い関係があることが明らかになっています。妊婦については歯周病菌が血中に入り込んで胎盤に運ばれると、子宮の収縮運動が起こるため、早産や低体重出産のリスクが高くなります。

早産・低体重出産のリスク

妊娠中に歯周病になると、健康な状態に比べて早期低体重出産のリスクが7.5倍も高くなります。これは年齢や喫煙・アルコールなど、その他の危険因子に比べても非常に高い数値です。

歯やお口の健康はもちろんですが、生まれてくる赤ちゃんのためにも日頃からきちんとケアを行い、歯周病の予防・治療に取り組みましょう。

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