気づかないうちに歯が溶ける酸蝕症とは?
2024/07/10
気づかないうちに歯が溶ける酸蝕症について
鹿児島の歯医者「ながやまデンタルクリニック」の歯科衛生士です。
近年では、歯周病・虫歯に次ぐ歯科疾患として酸蝕症(さんしょくしょう)というものが問題になっています。虫歯や歯周病は細菌の感染によって起こる歯科疾患ですが、酸蝕症は飲食物の酸や胃酸などによって歯が少しずつ溶かされる病気です。
今回のブログでは、酸蝕症になる主な原因や予防法などについてお話したいと思います。
酸蝕症の原因
①酸性の飲食物の摂取量が多い
グレープフルーツやみかんなどの柑橘系の果物をはじめ、ワインやお酢などの酸っぱい飲食物は酸性です。酸性の飲食物を頻繁に摂取すると、お口の中が酸性になる時間が長くなり、唾液による中和が間に合わずに少しずつ歯が溶けてしまいます。
②胃酸の逆流
過食症や拒食症によって嘔吐することが多い方、異食道逆流症などの方は胃酸がお口の中まで逆流することによって歯が少しずつ溶かされてしまいます。
③酸性のお薬やサプリメント
ビタミンやアスピリンなどのお薬やサプリメントは酸性です。日頃から酸性のお薬やサプリメントを服用されている場合は、歯が溶けるリスクが高くなります。
④職業の影響
塩化水素や硫酸は気化すると、酸性のガスが発生します。塩化水素や硫酸を使用するメッキ工場やガラス工場に勤めている方はそのガスを吸引することによって、お口の中が酸性に傾いてしまうため、歯が溶けやすくなります。
酸蝕症の予防法
①酸性の飲食物の摂取量を抑える
お口の中が酸性に傾いている時間をできるだけ短くするため、柑橘系の果物やワイン、お酢などの摂取量を抑えましょう。
②フッ素でコーティングする
フッ素は溶け始めた歯のエナメル質を修復する再石灰化を助けたり、酸への抵抗力を高めたりするなどの効果が期待できます。今ではほとんどの歯磨き粉にフッ素が配合されていますので、フッ素配合の歯磨き粉を使用したり、歯科医院でフッ素を塗布してもらうことによって歯が溶けるのを抑制しましょう。
③毎食後に歯磨きをする
酸性の飲食物を摂取した場合は食後に歯磨きを行いましょう。ただし、酸性に傾いている時はブラッシングによって歯がすり減りやすくなっているため、歯を磨く前にお口をかるくすすぐか、食後に少し時間をおいてから歯を磨くように気をつけましょう。
虫歯や歯周病はもちろん、酸蝕症についてもきちんと予防し、お口の健康維持に努めましょう。
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