歯茎から膿が出る原因と応急処置とは?

      2024/07/10

歯茎から膿が出る原因と応急処置について

歯茎から膿が出る原因と応急処置

鹿児島の歯医者「ながやまデンタルクリニック」の歯科衛生士です。

口腔内にトラブルが起こった際は、痛みや違和感などの自覚症状をはじめ、症状によっては歯磨きの際に歯茎から血が出たり、膿が出たりすることがあります。歯茎から膿が出る場合は、口臭がきつくなるだけでなく、顎骨などに問題が生じている可能性が高いため、注意が必要です。

今回のブログでは、歯茎から膿が出る原因とその際の応急処置などについてお話したいと思います。

歯茎から膿が出る際に考えられる原因

①歯周病

歯周病は細菌によって歯茎や歯槽骨などの歯周組織に炎症が起こる病気です。歯と歯茎の隙間に形成される歯周ポケット内で細菌が繁殖すると、炎症が起こり、歯茎の腫れや出血を伴います。さらにその状態を放置してしまうと、症状がさらに悪化して歯茎から膿が出るようになります。

歯周病の症状が重症化すると、炎症が拡がって歯茎や歯槽骨が少しずつ溶かされるため、歯がグラグラと動き出し、最終的に歯が抜け落ちてしまいます。

②根尖病変

根尖病変とは歯根の先端に膿が溜まる症状です。虫歯を放置して神経が壊死したり、神経を取り除いた歯が再び虫歯になり、歯の内部で細菌が繁殖することによって起こります。溜まった膿は歯茎を突き破って排出されることもありますが、排出されない場合は歯根先端部分でどんどんと大きくなるため、骨などが圧迫されて強い痛みを伴います。

③歯根破折(歯根部分の割れ・ひび)

歯根破折は歯根部分にひびが入ったり、割れたりする症状です。神経のない歯は脆くなるため、歯ぎしりや食いしばりなど、噛む力が強い場合に起こりやすくなります。歯根の割れた部分から細菌が侵入することによって炎症が起こるため、膿が溜まる原因となります。

歯の動揺が大きい場合や噛んだ時に痛みを感じる場合は歯根破折の可能性があるため、できるだけ早めに歯科医院にて検査を受け、必要な処置を受けましょう。

④親知らず周辺の炎症(智歯周囲炎)

生えかけの親知らずがある場合や親知らずが斜めに生えている場合は、歯と歯茎との間に汚れが蓄積しやすくなります。その蓄積した汚れによって細菌が繁殖すると、親知らず周辺に炎症が起こって痛みや腫れを伴います。さらに炎症が悪化して化膿すると、歯茎から膿が出ることもあります。

親知らず周辺の炎症(智歯周囲炎)が起こった場合は、歯科医院にて抗生物質を処方してもらいましょう。また、頻繁に炎症を繰り返す場合は親知らずの抜歯をおすすめします。

歯茎から膿が出た際の応急処置について

歯茎から膿が出て痛みや腫れが強い際に歯科医院へすぐに行けない場合の応急処置についてご紹介いたします。

①口腔内を清潔にする

歯茎から膿が出ている場合は、口腔内で細菌が繁殖しています。口腔内が不衛生だと、さらに細菌の活動が活発になるため、症状を和らげるためには口腔内を清潔にすることが重要です。歯磨きをはじめ、洗口液でのうがいを行ない、口腔内の細菌数を少しでも減らしましょう。刺激の強い洗口液は痛みを感じる可能性があるため、ノンアルコールや低刺激の洗口液がおすすめです。

②痛み止めの薬を服用する

歯茎から膿が出ている場合は炎症によって痛みや腫れが強くなっている可能性が高いです。痛みが続く場合は、一先ず痛み止めの薬を服用しましょう。患部が気になると思いますが、症状が悪化する可能性もあるため、手や舌などで触らないように心がけましょう。

③患部を冷やす

痛みや腫れが強い場合は患部を冷やすことで症状が緩和されることがあります。急激に冷やすと、血行が悪くなり、さらに痛みが強くなる場合があるため、水で濡らしたタオルや冷却シートなどがおすすめです。

上記のように歯茎から膿が出る場合は口腔内で何らかのトラブルが生じています。できるだけ早めに歯科医院で検査を受け、必要な処置を受けましょう。



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