どうして咀嚼が脳を活性化するのだろうか?①
2024/07/10
☆咀嚼とは?
摂取した食物を歯で噛み、粉砕し唾液と混和し嚥下できるような食塊を作る過程を咀嚼という。
これにより消化を助け、栄養を摂ることができる。
加齢により誰でも脳の老化は進行するが、そのスピードを遅くするのが咀嚼による情報です。
一般に、咀嚼というと単に歯でものを噛んで、すりつぶす行為と認識されがちですが、
実際には機能の異なる複数の器官が統合され、システム的に機能する事によりスムーズな咀嚼が可能になります。
従って、噛むという日常的な行為、すなわち食物を咀嚼することは、その人が意識しようとしまいと、
味覚情報や体性感覚情報、臭覚情報、聴覚情報、そして視覚情報という五感情報が、一挙に脳に入力され、
脳の神経活動を高めます。
・咀嚼情報の役割
いうまでもなく咀嚼にかかわる器官には、直接物をかみ砕く歯、歯を支える顎骨、
顎骨を動かす筋肉(咀嚼筋)、上下の顎が関連して動く顎関節、食物を上下の歯の間に運ぶ舌、
かみ砕かれた食物を混合し小さな塊にして唾液を分泌する唾液腺などが含まれます。
また、歯根膜や口腔粘膜には、痛覚、温覚、冷覚、圧覚、触覚などに応答する感覚受容器があり、
舌の表面には甘み、辛味、酸味、苦味、塩味などを受容する味蕾があります。
咀嚼筋の中にある筋紡錘は筋肉の動きを感じとっています。
外部からの情報を五感(視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚や痛覚などの体性感覚)で受容し、
それらのすべては大脳に入り識別されます。
例えば、食物の五味(塩辛い、苦い、甘い、酸っぱい、旨い)は、舌の味蕾で電気信号に変換されて、
この電気信号は送電線である顔面神経と舌咽神経を通って延髄に送られます。
更にもう一回変電所(間脳の視床)を経由して大脳皮質の味覚野に到達して、
最終的には連合野において過去の記憶と照合され、五味を識別するという仕組みになっています。
味だけでなく、歯触りや舌触りなどの体性感覚情報を受容する多くの感覚受容器も存在します。
多種多様な情報は、咀嚼によって一挙に脳に伝えられ瞬時に知覚されます。
更に、瞬時に脳から適切な指令が送り出され、咀嚼運動がスムーズに行われます。
どんなコンピュータもかなわない程複雑な過程を瞬時にこなしているのです。
咀嚼運動をスムーズに行うためには、脳がバランスよく協調する事が不可欠で、
脳梗塞や認知症などで脳の働きが低下すれば、何をどう食べればよいのかもわからなくなります。
また、噛み合わせが悪いなど咀嚼が不十分だと、咀嚼に伴う情報が減少し、脳の神経細胞の死滅が
促進されることも事実です。
一口30回と、噛む回数にこだわるのもよいですが、彩り豊かな食事をじっくり味わいながら、
家族や気の合う仲間との会話を楽しむことも大事です。
より多くの情報を脳に同時に送ることが、脳全体を活性化させ、脳の老化を防止することに繋がるのです。
参考文献:新・口腔の生理から?を解く
ながやまデンタルクリニックでは咀嚼機能検査も行っております。
鹿児島市で歯科をお探しの方は、ぜひ、ながやまデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。
歯科衛生士 池ノ上
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