歯周病と糖尿病について④

      2024/07/10

これまで糖尿病についてお話してきましたが、糖尿病はなぜ問題になるのでしょうか?

 糖尿病が進行すると様々な合併症を引き起こします。糖尿病の管理で重要なことは、生活の質を著しく低下させる合併症を防止する事です。

 

Q.糖尿病になると私たちの体はいったいどうなってしまうのでしょうか?

 

血糖値が高いままの生活を続けると、血管がもろくなり、ボロボロになっていってしまいます。糖尿病は別名『血管病』と言われており、全身にネットワークを結んでいる血管と神経が、血糖値の高い状態が進むことで侵され、適正な栄養の供給が途絶えて全身の臓器に様々な障害が起こってきます。これを、糖尿病の慢性合併症と呼ばれています。

 

糖尿病の慢性合併症には大きく分けると、細い血管にみられる合併症と太い血管にみられる合併症の2つがあります。

 

☆細小血管障害(細い血管にみられる合併症)

…高血糖の状態が長い期間にわたって続くと、体の細い血管が障害されて血流が悪くなり、特に細い血管が集中している場所に合併症が起こります。眼、腎臓、神経系で合併しやすい。

 ・糖尿病網膜症(目に起こる合併症)

・糖尿病腎症(腎臓に起こる合併症)

・糖尿病神経障害(神経に起こる合併症)

 

☆大血管障害(太い血管にみられる合併症)

…高血糖の状態が続くと、太い血管では動脈硬化が加速します。動脈硬化は動脈の内側にさまざまな物質が沈着して厚く、硬くなり、隆起(プラーク)ができる状態で、糖尿病をはじめとして脂質異常症(高脂血症)、高血圧、喫煙などによって起こるとされます。

動脈硬化が進むと血流が途絶えたり、血管にこびりついているプラークが剥がれて血管に詰まり重要な臓器に障害を起こします。

 ・脳梗塞

・狭心症、心筋梗塞など

・閉塞性動脈硬化症(足の太い血管の血流の循環が悪くなる 歩行困難、潰瘍、壊疽)

 

☆その他に、血管の障害から起こる合併症以外にも、高血糖の状態が続くことで様々な合併症が起こります

・糖尿病性足病変

・歯周病

・認知症

 

また、急性合併症のほかに、極度のインスリン作用不足によって急激におこり命の危険にも直結する急性合併症もあります。

 急性合併症

・糖尿病ケトアシドーシス

・高浸透圧高血糖症候群

・感染症

 

急性合併症と慢性合併症のどちらも、糖尿病患者さんの生活の質(QOL)と寿命も著しく低下します。これらはいったん起きてしまうと、元に戻す(治る)ことは大変困難になります。なので、糖尿病は早期発見と早期治療が行われるか否かが運命の別れ道ともいえます。

糖尿病は慢性疾患の1つであり、治療と自己管理が生涯必要な病気ですが、これらをきちんと行えば、通常の生活を送ることができます。

糖尿病の治療は、患者さんのQOLと寿命を低下させる合併症が起こらないように予防し、合併症がおきてもそれ以上悪化しないようにすることがとても大切です。

 

 そして、歯周病も第6番目の合併症と言われており、歯科治療もとても重要なポイントとなります。

糖尿病と歯周病、この2つの病気がお互いに悪化要因となっている事も知られてきました。

 

次回、糖尿病と歯周病がどのようにお互いに悪化要因になっているか、お話ししていきます。

 

鹿児島市で歯科をお探しの方は、ぜひ、ながやまデンタルクリニックへお気軽にご相談ください。

 歯科衛生士 池ノ上

 



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