咀嚼機能検査とは何?
2024/07/10
咀嚼機能の回復を目的とする補綴歯科治療では、咀嚼能力を客観的に、かつ定量的に評価しなければなりません。しかし、咀嚼能力を総合的に評価する単一の検査法は存在しません。
2015年に日本補綴歯科学会から『咀嚼機能検査』が新たに定義されました。咀嚼試料より直接判定する方法と、咀嚼に関与するほかの要素より間接的に測定する方法に大別されています。
・直接的検査法
咀嚼された咀嚼試料の状態を客観的数値として表す方法と咀嚼能力判定表により摂食能力を主観的に評価する方法
咀嚼試料 ピーナッツ(3g) 試験用グミゼリー
・間接的検査法
顎運動、筋活動、咬合接触状態、そして咬合力などにより咀嚼能力を評価、判定する方法
『咀嚼障害評価法のガイドライン-主として咀嚼能力検査法-』(2002)の中で、
▶直接的検査法には、
① 咀嚼試料の粉砕粒子の分布状態から判定する方法
② 咀嚼試料の内容物の流出量から判定する方法
③ 咀嚼試料の穿孔状態から判定する方法
④ 食品の混合状態から判定する方法
⑤ 咀嚼能力判定表から判定する方法
▶間接的検査法には、
⑥ 咀嚼時の下顎運動から判定する方法
⑦ 咀嚼時の筋活動から判定する方法
⑧ 咬合接触状態から判定する方法
⑨ 咬合力から判定する方法
が列挙されている。
直接的検査法は、簡便かつ定量化しやすいことから①②⑤を選択し、さらに、主観的感覚から判定する方法も加えて、すべての検査を併用する事が重要であるようです。
間接的検査法は、咀嚼能力を直接評価、判定する方法でないことから⑥~⑨から必要に応じた検査をするべきです。
POINT
咀嚼能力の回復を目的とする補綴歯科治療では、補綴歯科治療前後での咀嚼能力を評価、判定しなければいけない!
《 推奨する咀嚼機能検査 》
直接的検査法
- 咀嚼能率測定
・咀嚼試料グミゼリーにて、咀嚼回数を規定した咀嚼能率測定
・咀嚼試料ピーナッツにて、粉砕状況、食塊形成を観察する咀嚼能率測定
- 主機能部位検査
・ストッピングによる観察
- 咀嚼難易度検査
・食品アンケートによる咀嚼難易度検査
・有床義歯装着者に対する摂取状況調査
- 主観的咀嚼評価スケール
間接的検査法
- 下顎運動分析
・咀嚼運動経路のパターン分析
・咀嚼運動閉口路の精察
- 咬合接触分析
・「咬合接触点」の接触部位および分布状況の分析
・「咬合近接域」の面積、分布状況の分析
- 咬合力分析
・最大咬合力による分析
☆咀嚼能力検査とは、咀嚼能力を可視化できる検査なのです。
参考文献:咬合の謎を解く! なぜ、咬合は見た目で診断できなのか? 著:中村 健太郎
ながやまデンタルクリニックでは、咀嚼能力検査を行っております。
鹿児島市で歯科をお探しの方は、ぜひ、ながやまデンタルクリニックにお気軽にご相談ください。
歯科衛生士 池ノ上
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