歯周病と糖尿病について⑥
2024/07/10
糖尿病の人は歯周病になりやすく、歯周病があると血糖値が高くなり易いことから、糖尿病と診断されたのをきっかけに歯周病が見つかったり、逆に歯医者で歯周病と診断されたのをきっかけに糖尿病が見つかる事もあります。
歯周病と糖尿病が互いに影響しあって悪化要因になる悪循環は次の通りです。
① 免疫機能の低下、糖尿病による口の乾燥や歯周ポケット内の糖分濃度上昇により歯周病菌が増える。
② その炎症を抑える生体防御反応により、白血球の一種で清掃屋の役割を果たすマクロファージが集ま り、歯周病菌との戦いが繰り広げられる。
③ マクロファージが仲間を呼ぶためのサイトカイン(TNF-α)という物質を出す。
④ サイトカイン(TNF-α)と呼ばれる物質により血液中のインスリンの働きが弱くなる。
⑤ インスリンの働きが弱くなるので、糖尿病が悪化する。
⑥ 糖尿病が悪化すると抵抗力が落ちるので歯周病菌が増える。
このように、歯周病と糖尿病は悪循環を繰り返し、お互いに影響しあっていますが、元々の原因は歯周病菌が多くなりすぎたということですから、歯周病の治療をすることでこの負のスパイラルを断ち切ることができます。
2型糖尿病の人は非糖尿病の人の2.6倍も歯周病が悪化しやすいというデータも出ています。
このことから、歯周病を治療することは糖尿病の治療をする上でもとても重要な意味を持ち、積極的にすすめられていくべきですが、歯周病と糖尿病がお互いの悪化要因と分かっていても、医科と歯科では切り離されて考えられる事が多く、なかなか連携して治療をしていくところまでいっていないのが現状のようです。
もしかしたら…
糖尿病に罹患していると口腔内の乾燥やのどの渇き、独特な口臭、創傷部位が治癒しにくかったり、炎症が治まりにくいなどお口に関連した症状もみられる事があります。
歯周病の症状がある人は、糖尿病でなくても糖尿病予備軍である高血糖の状態かもしれません。
進行した歯周病があると、健康な人に比べて
・心臓病が2.8倍
・脳梗塞が2.9倍
リスクが増大するというデータもあります。
歯周病はお口の中の病気というだけではなく、全身の病気とも密接に関わっているため非常に怖い病気なのです。
最近、歯医者に行ってない方はぜひ歯科を受診してみてください!自分のお口の中の事を知るという事はとても大切です。そして、お口の中を知るという事は、ご自身の体を知るという事です。そこから、健康へと繋がっていくと思います。
鹿児島市で歯科をお探しの方は、ぜひ、ながやまデンタルクリニックへお気軽にご相談ください。
歯科衛生士 池ノ上
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