歯周病と糖尿病について②

      2024/07/10

前回、糖尿病と歯周病は相互に影響を与えお互いの悪化要因になるとお話ししましたが、「糖尿病」という病気について、耳にしたことはあるものの、実際にはどんな病気かは知らないことが多いと思います。まずは、糖尿病についてお話ししていきます。

 

☆糖尿病とはどんな病気?

 

私たちは、食べ物から栄養を摂取してエネルギーを作り出していますが、私たちが食事をして咀嚼した食べ物は、胃での消化を経て小腸へと運ばれます。

 

①食べ物の中の糖分が小腸でブドウ糖に分解されて、血液の中に取り込まれます。

②血液中のブドウ糖が増えると、すい臓からインスリンが分泌されます。

③分泌されたインスリンはエネルギーを必要としている、筋肉や内臓などの細胞へと繋がるドアを開いてブドウ糖を送り込む働きをします。

 

・インスリンとは…

すい臓のランゲルハンス島という組織にあるβ細胞で作られています。食事によって血糖値が上がる(血糖の量が増える)と、すい臓のβ細胞がこの動きを素早くキャッチして、すぐにインスリンを分泌します。

 

インスリンのおもな働き

・ブドウ糖を体の中の細胞への扉を開ける鍵の役目をします。

・グリコーゲン(貯蔵糖)が合成されるのを促進します。

・脂肪組織で脂肪が合成されるのを促進したり、脂肪の分解を抑制します。

 

 

健康な人の場合、ブドウ糖とインスリン作用のバランスが良く血糖が正常に保たれています。一方、糖尿病の人はインスリンが不足したりうまく作用しないで、ブドウ糖とのバランスが崩れて血液中のブドウ糖が多い高血糖状態になります。

 

・では、高血糖状態が続くとどうなるのでしょう?

 

①    体の細胞への鍵が開きにくい状態なので体の細胞のエネルギー不足になります。

②高血糖による血管障害というものがあり糖尿病は別名「血管病」ともいわれています。血液中に糖が増えると、水に砂糖を混ぜた砂糖水のようにドロドロベタベタとしてきます。当然、ドロドロとした血液は流れにくくなり、血管の壁にもべっとり張り付きます。すると血管壁のたんぱく質と結びつきAGEという物質に変化していきます。AGEとは「終末糖化産物」と言い、強い毒性を持ち老化を進める原因物質で「糖の最終的な姿」です。AGEに変化すると、今度は砂糖水を固まらせたかのようにガリガリに硬くなって取れなくなってしまいます。水あめみたいな物です。

 

・つまり、糖尿になる→血液中に糖が増える→AGEがうまれる→血管の弾力が失われる→もろくなった血管がボロボロになってどんどん血管が損傷していくという構図がうまれるのです。

糖尿病が別名「血管病」と言われており、全身にネットワークを結んでいる血管と神経が、血糖値の高い状態が続くことで侵され、適正な栄養の供給が途絶えて全身の臓器に様々な生涯が起こってきます。これは、糖尿病の慢性合併症と呼ばれています。

 

・糖尿病には1型と2型の種類があります。

 

1型糖尿病…

インスリンを作るすい臓の細胞が何らかの原因で壊されることで、インスリンが作られなくなり糖尿病になります。子供や若年者に多くみられます。原因ははっきりとはわかっていませんが、ウイルス感染などをきっかけに起こることもあります。

日本ではこのタイプの患者さんは少なく、糖尿病全体のほんの5%程度です。

 

 

2型糖尿病…

日本の糖尿病の患者んさんの95%以上がこのタイプで、原因は、遺伝的に糖尿病になりやすい体質と、食べすぎや運動不足、肥満、飲酒、喫煙、ストレス、加齢など様々な事が関わっていると言われています。特に生活習慣(ライフスタイル)の乱れが主な原因となって起こるために、生活習慣病と言われています。

 

歯周病も生活習慣病の一つです。口腔内と全身の病気では密接に関係しており、お互いに作用しあって状態の悪化などに関与しています。

 

鹿児島市で歯科をお探しの方はぜひ、ながやまデンタルクリニックにご相談ください。

 

歯科衛生士 池ノ上



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