「まず、手を動かそう」――若手歯科医師へのメッセージ

   

20代後半という時期は、歯科医師としての人生を真剣に考え始める、とても大切な時間です。
自分はこの先、どんな道を進みたいのか。何を強みにして、どう成長していくのか。そういった問いが自然と浮かんでくる時期だと思います。

私からまず伝えたいのは、「臨床経験を積むこと」の大切さです。
もっと単純に言えば、「とにかく手を動かすこと」。

これは単に症例数をこなせばいい、という話ではありません。
日々の診療を通じて「なぜこの症例はこうなったのか?」と自分に問い、
その原因を洗い出し、仮説を立て、必要な検査で検証し、結論を出す。
こうしたプロセスを一つひとつ丁寧に行う習慣こそが、歯科医師としての本当の力になります。

いわゆるロジカルシンキング、クリティカルシンキングという考え方ですが、それを机上の理論で終わらせず、臨床現場で「感じながら実践すること」が重要です。
一例です。
脱離についての考察です。

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そして治療技術についても、まずは現実的で基本的な治療をしっかりと積み重ねること。
神経を抜く、歯周病を治療する、補綴を行う、義歯を入れる——
こうした日常の治療を、一つひとつ目的を理解しながら、丁寧にこなしていく。
それが患者さんにとって最も安心で、幸せな治療につながります。

若いうちは、どうしても矯正やインプラントといった「派手な治療」に目が行きがちです。
私もそうでした。でも、それらの治療もすべて、地道な一般治療の土台の上に成立しているのです。

だからこそまずは、全体を俯瞰して捉える力を養うこと
そして一本あたりの治療の質を高めていくこと
この姿勢こそが、歯科医師としての真の成長を支える基盤になります。

ここで少し、私たちが若い頃の話をさせてください。

私たちの勤務医時代は、今よりもずっと自由にチャレンジできる時代でした。
週末ごとに勉強会へ行き、治療法を試し、院長の横で背中を見ながら必死に技術を盗んだものです。
時には夜遅くまで、いや病院に泊まり込んでまで仕事に没頭していました。

でもそれは、決して楽な環境ではありませんでした。
今では考えられないような厳しさもありましたし、
ハラスメントという言葉すらなかった時代。
頭の後ろを器具が飛び交う、そんな医院も実際にありました。(笑)

それでも、自分からチャレンジすることができた時代だったと思います。

今は労働環境も整い、コンプライアンスも重視され、
法制度も整備されてきています。それは素晴らしい進歩です。
ただその一方で、自由にチャレンジできる空間や風土が減ってきているようにも感じます。

でも、どんな時代でも共通しているのは、
「成長にはチャレンジが必要」だということ。
誰かが与えてくれるものを待っていては、本当の意味での成長にはつながりません。

だからこそ、「自分が成長するには、何が必要か?」
それを自ら考えること。これは一つの大きな人生設計でもあります。

成長のルートは一つではありません。
でも、手を動かし、頭で考え、心で向き合い、そして挑戦する
この積み重ねを大切にしていけば、どんな分野でも確かな力は身についていきます。

焦らなくてもいい。
でも、立ち止まらず、挑戦する自分であってください。

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